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落ち鮎シーズン到来!釣果を伸ばすルアー選びと攻め方 Written by 鎌田智輝

Text鎌田智輝

秋田県アンバサダーの鎌田です。

 

APIAマガジンをご覧の皆様、いかがお過ごしでしょうか??

 

今回皇帝澤様より。

「おい鎌田!!落ち鮎パターンについて解説ブログ書かんかコラーーーー!!」

※コラーー!!と言っていたかは不明笑

 

 

というオーダーがあり。

晩秋にピークを迎えるベイトパターン。

 

 

「落ち鮎パターン」について、書いていきたいと思います。

 

 

とは言っても、まぁ〜このご時世。

「落ち鮎 シーバス ブログ」な〜んて検索すれば、それっぽい情報は山ほど出てきますからね〜。

 

 

今さら教科書みたいなこと書いても仕方が無いので、今回はあくまで「鎌田的落ち鮎パターン」と題しまして"鎌田なり"の落ち鮎攻略のコツについて書いていきます。

 

 

 

っとその前に。

 

昨年、APIATVから配信になりましたこちらのこちらの動画はご覧頂けましたでしょうか??

 

https://youtu.be/IPzkskvgjQE?si=ddL0FCsOtJdHcuMF

 

 

"先に釣る天才"(あと寝坊の天才)中井チャンとの平成8年コンビによる落ち鮎パターン攻略in秋田県雄物川。

 

 

ブログの前に先に動画をご覧頂ければ、この後の解説のイメージがより伝わるかと!

 

 

ぜひぜひ、ご覧くださいまし~✌︎

 

 

では、本題へ参ります。

 

 

○落ち鮎パターンとは

 

 

そもそも落ち鮎とは、産卵行動に伴って鮎の状態が変化していく「一連の流れ」を総称した言葉であり、水面を流される、黒く色を変えた鮎だけを指している言葉ではありません。

 

 

初秋の頃、夏場生息していたエリアから少しでも河口へ近づく為に、下流域へと移動を開始。

 

 

晩秋の頃、瀬の中で産卵を行なう為の準備行動をとり、月齢(満月大潮の頃)に沿って産卵行動を行なう。

 

 

そして産卵が終わり、体力を失った鮎は水面を漂うように流されていく。

 

 

この「移動開始〜産卵終わりまでの期間」を総合して鮎が"落ち鮎"と呼ばれる状態にあると鎌田は捉えており。

 

 

エサとして捕食しやすい状態へと変わっていく鮎の変化に伴って、鮎に固執していくシーバスの目線にアプローチを合わせていった結果「落ち鮎パターン」へと発展していくと。

 

 

そんな仕組みだと認識してしています。

 

 

大切なのは鮎の状態に合わせたアプローチをすること。

それはルアーの操作どうこうだけでは無く、場所毎のタイミングに合わせたポイント選択まで含めた話。


元々シーバスがいたエリアに移動してきた鮎がリンクするからパターンへと発展する。

そのエリアを見極められるかが肝心です。

 

 

その為のアプローチを序盤、中盤、終盤に分けて解説したいと思います。

 

 

【落ち鮎序盤】

このタイミングの鮎は夏場生息していたエリアから産卵の為に下流域へと降ってきています。

 

 

「鮎釣り師の方達が友釣りをされている流域にいた鮎が下流へと降り始める」と言えばなんとなくイメージしやすいでしょうか?

 

 

聞いた話ですが、この移動が始まるタイミングも月齢に伴って起きる為、鮎は一斉に姿を消すそうです。

 

 

この時期はまだ落ち鮎パターンとしては成立しづらく、他のベイトパターンと混同してシーバスが釣れる為、落ち鮎パターンだけに区別して釣りを組み立てられるのは鮎が瀬に入った後。

 

 

中盤頃からを目安としています。

 

 

ちなみに雄物川の場合は、大体9月の中旬前後から

岸際や、瀬の終わりで「弱く吸い込むような」ボイルが増え始めます。

 

 

シーバスがベイトを追いかけ回さなくなり、待ち伏せ感が強くなり始めるタイミング。

 

 

鮎を意識し始めた合図です。

 

 

ですが、ここ数年は夏場の災害級の大雨や猛暑の影響もあり、「○○頃〜」という目安の精度が大分曖昧になってきました。

 

 

鮎の動向と共に釣り人の熱気も高まる時期ですので、今年は良いだの悪いだの「根拠の無い話」が飛び交いますが。
肝心なのは川の中。


年々変化はしつつ、とはいえ変わらない部分もあり。

自然界はある程度連動しているので、自分の中の判断基準を持てればブレずに魚と向き合えるはずです。

 

 

 

ちなみに私の場合は朝と夕方に渡り鳥(雁)を見かける回数が増えることと

 

セイタカアワダチソウ(秋頃見かける黄色く群生している花)が増えることを、季節の進捗具合を予測するひとつの目安としています。

 

これに関しては完全に「根拠の無い話」ですが笑

 

 

【落ち鮎中盤】

産卵条件を満たした瀬。

 

 

そこに降ってきた鮎の群れが定位しだすと、いよいよ落ち鮎パターンが始まる雰囲気が出始めます。

 

 

まずは「鮎が瀬に入った」ことを捉えること。

シーバスのポジションは瀬から逆算で組み立てます。

 

 

鮎を確認する方法としては橋の上からの観察、ナイトゲームで川底を照らす、マズメのタイミングで水面を跳ねる、川鵜やサギなど水鳥の存在、等々。

意外と目視で確認できる場合が多いです。

 

いずれにせよ日々のフィールドワークの積み重ねです。

 

 

この頃はまだ産卵の準備段階の為、いわゆる「水面を漂う鮎」はほぼ見られませんが、瀬の中で上流へと頭を向けたまま下流側へ後退するような動きをする鮎がいます。

 

 

その鮎が瀬の範囲から外れかけて慌てる、流れの変化でバランスを崩す、そのタイミングがシーバスの捕食スイッチが入るタイミングであり

 

その状況をルアーで演出する必要があります。

 

 

この時期ハマりやすいアプローチがクロス〜ダウンの角度の釣り。

瀬の脇、瀬の終わりで、瀬から外れないようにもがく鮎を、クロス〜ダウンの範囲で演出していきます。

 

 

この釣りで強烈にハマるのが『バレーヌ160FL』

瀬周りの早い流れに馴染みつつナチュラルなアクションで泳ぎ、流れの変化に差し掛かった時に発生する「自発的なフラつきアクション」は

 

実際に鮎がヒラを打つ場所と同じ、つまり鮎を狙うシーバスの目線の中で発動する「最強のきっかけ作り」です。


よりピンポイントへと送り込み、その場に留めておくようなアプローチをする場合は『ラムタラジャイアントバデル177』が効果的。

ナチュラル且つオートマチックな要素を残しながら「線の釣り」で反応を取るバレーヌ160FLと比較して、マニュアル感が高い「点の釣り」が可能になります。


ポイント毎のロケーションに合わせて使い分けることで、1匹へと近づけるはずです。

 

※ちなみに動画の撮影日は中盤にあたるタイミングでした。

 

 

【落ち鮎終盤】

 

そして、満月大潮をきっかけに産卵が始まり、産卵に合わせてシーバスのコンディションはピークを迎えます。

 

 

この頃から水面を流れる鮎が日毎に増える為

アプローチはアップクロスの角度が、レンジは0〜10cm程のあたりが格段に好反応になります。

 

 

水面の波紋といったファクターがシーバスの食性を強烈に刺激するタイミングになる為、ウェイク系のルアーが強くなると共に『ラムタラジャイアント177』の出番が急増です。

 

アップでも流れを掴み、皮一枚入るか入らないかのレンジで漂う。

『ゴトゴト』といった低音のラトル音は大型のシーバスの目線を強く惹きつけます。

 

 

また、ボロボロと鮎が落ち続けるタイミングに遭遇した時、レンジ0cm、水面でのアプローチのみバイトが出る瞬間があります。そんな時は『アルゴ160』の水面放置で発生する波紋が効くタイミングもある為、ボックスに入れておいてくださいね♪

ただ、産卵以降は日に日に川から雰囲気が薄れていきます。

鮎の絶対数が急激に減少するため、シーバスが海へと移動を始める時期となるでしょう。

 

「川の鱸釣り師達」がシーズンを締めくくるタイミングです。

 

 

と、まぁ。

ざっくり序盤・中盤・終盤とタイミングごとに書いてみましたが、それ以外で突発的に鮎が流れ落ちるタイミングがあります。

 

 

雨後の『冷水病』です。

なんとなく鮎の入っているエリアを掴んでいることが大前提ですが、局地的に強烈な釣果になるになる可能性があります。これも狙い目ですね。

 

 

○アプローチについて

 

 

瀬に入った後の鮎は移動することもないし、しかも特定の瀬にしかいないという、実に融通の効かないパターンです。

釣り人側が鮎のいる瀬に近づくしかない。

 

 

落ち鮎パターンが他のベイトパターンと明らかに違う点は「ベイトの動きが鈍くなる」こと。

 

 

流れ落ちているとしても自力でそうしているのでは無く、川に流されている状態です。

その為、物理的に流されるべき場所にしか鮎は流れていきません。

 

 

川の流れを使って、流されるべき場所へ川自体にルアーを引かせる。

ライン先行と呼ばれるアプローチが最も効果的になるベイトパターンではないでしょうか?

 

 

鮎がいるエリアは川底が玉砂利質に限定される時点で中〜上流域であることが多く。

 

干満による魚の出入りや回遊が無い流域の釣りである時点で、そもそもシーバスの射程圏内までルアーを入れることが大前提になります。

 

※この辺の考えは私の過去ブログをご参照下さい。

https://www.fimosw.com/u/Tomoki/x8cmhkutxrbud7


落ち鮎パターンだからどうのこうの、ではなく。

 

中〜上流域の釣りである時点で、実はアプローチに対する考え方のベースは年間通して変わりません。

 

 

リバーシーバスの本質である「ドリフト」

そこにシーバスのコンディションが掛け合わさって、体が震えるような、忘れられない一匹に出会える。

 

 

落ち鮎パターンは言わば、究極のリバーシーバスなのかもしれません。

 

 

○最後に

今回のテーマは落ち鮎パターンでしたが

 

このパターンに限った話では無く、魚釣りはプロセスに拘る遊びだと思っています。

 

釣れれば良いのではなくどうして釣れたのか、どうして釣れなかったのか。

1匹にたどり着くまでにどこまで想像を膨らませることができたか。

準備や下積みの段階にこそ1人のアングラーとしての、技術やプライドが集約されています。

「シーバスフィッシング」としてのゲーム性を釣り人がどれだけ高めても、結局魚にとっては生きる為の「捕食行動」でしかありません。

釣果に対して理由付けはできますが、それにすら確証は無いのが釣り。

でも、それを想像することが、理論を持つことが魚を釣る為の唯一の武器になります。

 

理論は経験にしか基づかない。

 

自分で経験した事だけを信じたい。

 

どこまでもプロセスに拘った釣り人でありたいと、日々思い続けています。

 

ただのAPIAファンだったあの頃、こんな言葉をブログに書く人に強く憧れていました。

あの言葉たちが私に響いたように、このブログも誰かに響けば嬉しいです。


以上、「鎌田的落ち鮎パターン」についてでした!

 

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