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プロスタッフ “ジャークマン”林準悟 監修 海サクラマス専用ミノー『CIMA(シーマ)140SL』とは Featuring Jungo Hayashi

Text佐々木俊 林準悟

アピアから海サクラマス専用ルアーの『CIMA(シーマ)140SL』が登場しました。このルアーは北海道で絶大な人気を誇る海サクラマスを攻略するために、プロスタッフのジャークマンこと林準悟氏が監修しています。

CIMA140SL

シーマ140SLの開発過程を私も見てきましたが、林さんの求めるアクションに行きつくまでにはかなり苦戦していたように思えます。林さんは圧倒的な飛距離とウォブリングアクションを重要視していましたが、飛距離に関してはアピア独自の重心移動システムのリニアエンジン(PAT.P)を搭載することで解決。しかし肝心のアクションがなかなか納得のいくモデルができず、開発部と何度も何度もやり取りをしているのを見ていました。

長い時間をかけ、やっと納得のいくモデルが完成したときは林さんが宇津木社長に興奮ぎみに連絡をいただいたのを覚えています。

海サクラマスを釣るうえで求められる性能


海サクラマスは川を遡上する前に沖合から接岸し、沿岸沿いを回遊して盛んに餌を捕食します。そのタイミングはマイワシやカタクチイワシはもちろんですが、鮭稚魚、イサダ、そしてマメイカやホッケなどを捕食するため比較的ルアーへの反応が良く釣りやすいタイミングとなるようです。

しかし、遡上することを意識し始めると捕食のスイッチが入りにくく、そうなるとリアクションでスイッチを入れてあげることでバイトを誘発させる必要があります。

その時に強いウォブリングが有効となり、ロールとウォブリングにより発生するフラッシングでサクラマスのスイッチを入れてあげることが重要になります。

林さんは両方を兼ねそろえるため、ウォブリングのふり幅の強さを高めることを最重要視し、開発にあたっていました。

サクラマスは基本的に中~高速巻きとジャーキングアクションが主体になりますが、この時にアクションが破綻せず、なおかつジャーキング時に水面から飛び出さないルアーバランスを求めていました。従来のルアーだと、どうしても動きが破綻したり水面から飛び出してしまうものが多く、そうなると見切られやすくなってしまいチャンスを逃してしまいます。

その悩みを解決してくれたのがリニアエンジンでした。もともと飛距離を出す目的のリニアエンジンですが、多弾配列されたウェイトボールにより重心の位置がルアーの腹部に集まることで重心を低くすることができました。

低重心化されたことでルアーのアクションが安定しやすくなり、早巻きやジャーキングといった激しいアクションでも動きが破綻しにくくなっています。

カウンターウェイトの誕生

飛距離と破綻しにくいアクションについては、ウェイトボールの調整で解決することができましたが、アクションの「質」はなかなか納得のいくモデルが出来ずにいました。

アクションの質を変えるには単純にリップ形状を大きくすれば解決する話ですが、シーマはボディーに対して小さめのリップを採用しています。

このリップの小ささも特徴であり、絶大な飛距離をもたらす秘訣でもあります。
しかし、そこを変えると飛距離が落ちてしまうため、リップの小ささはキープしたままアクションを増幅させる必要がありました。

林さんはいくつものサンプルをテストし、その中から1つのサンプルが選ばれることとなりました。
そのサンプルは他のモデルよりウォブリングが強く出ており、すぐに魚からの応えが返ってきたようです。

なぜ、このサンプルのウォブリングが強く出ていたかというと、シーマにはウェイトが合計7個入っていますが、通常は最後に配列されたウェイトをマグネットで固定するところを、6個目のウェイトで固定し、最後のウェイトをフリーにすることで動いたときに時差的にウェイトが移動して動くことで細かく振動し、ウォブリングを増幅させていました。
この仕組みをカウンターウェイトと呼んでいます。

リニアエンジンの応用性として、ウェイトを固定する位置やウェイトボールの種類(タングステン・ステンレス・樹脂など)を変えることができるので、重心の位置やウェイト調整が何通りも作り出すことができます。
ルアーの浮き姿勢からアクションのふり幅、潜行スピードに至るまで細かく調整ができるのはリニアエンジンだからこそできるシステムとなっています。

これにより、課題にしていたウォブリングの増幅&ジャーキングしても飛び出さないバランス、両方の問題を解決することができました。

実釣性能

サクラマスを狙う時期(春先)は風が強く吹きつけ、必然的にラフウォーターになります。そのため風に負けない安定した飛行姿勢と遠投性能、そして中~高速巻きで破綻しないアクションを林さんは求めていました。

このリニアエンジンとカウンターウェイトを搭載したシーマは磯場やサーフでそのポテンシャルを発揮し、タフコンディション下でもサクラマスをキャッチすることに成功しています。
林さんの代名詞でもあるジャーキングはもちろんですが、ただ巻きにおいてもポテンシャルが高く、キャストしてアクションをつけずに中~高速巻きをしているだけでも好反応を示してくれるようです。

これで林さんの求めていた理想の形が現実のものとなり、開発チームへGOサインが出て金型着工へ移ることができました。

およそ2年の歳月をかけ完成したシーマ140SLはサクラマス専用というにふさわしいルアーとなりました。

写真:プロスタッフ 林準悟

フィッシュイーターの本能を刺激するアクション

海サクラマス用に開発されたシーマ140SLですが、高速巻きとジャーキングによるフラッシングは様々なフィッシュイーターの本能を刺激するようで…特に近年人気上昇中のサワラキャスティングや、シーバスにどハマりしており各地からサクラマス以外の釣果も聞こえています! 


写真:アンバサダー 献上真也


デイゲームにおけるシーバスの反応も良く、サクラマス同様に中~高速巻きのただ巻きで狂ったようにバイトしてくるようです。もちろんジャーキングも効果は抜群で、広報の中井君はかなりいい思いをしたようです。周りが釣れていない中でもシーマのサンプルを使っていた中井君だけに釣果があったり、ランカークラスをキャッチしたりと楽しんでいるようでした。(周りの釣れていない人は僕でしたが…笑)

写真:広報 中井佑一郎

特にマイワシなどのベイトが入ってきたときに中~高速巻きのただ巻きが有効なようなので、ぜひ試していただきたいと思います。

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