MagazineWEBマガジン

Juicy開発秘話

Text佐々木俊

透明のブレードを作りたい。

そんな想いから始まった樹脂ブレード「Juicy」ジューシーの開発がスタートしました。

なぜ透明がいいのか?それは私が中学生時代(20年以上前)にバス釣りにハマり没頭していた時に見つけた一つのブレードがプラスチックでできた半透明の物でした。

当時そのブレードをスピナーベイトに付けて、アシや立木の間を引いてくると面白いようにバスがポンポン釣れたのを覚えています。

しかも水色が濁っていてあまりフラッシングしないのによく釣れた事には衝撃を受けました。

それから年月が過ぎ、そのブレードも手に入らなくなりすっかりと存在を忘れていたがロックフィッシュ狙いでキジハタをターゲットにしたときにキジハタについて確信を持った答えに行きつきました。

地域差はややあるものの、キジハタという魚は透過系のカラーに対して非常に反応が良く、特にクリアーにラメが入っているだけの物やケイムラ発光するものが抜群に効き、ブレードのキラキラが大好きなであるという事。

それを考えていた時に、ふと中学生の時に使っていた半透明のブレードを思い出しました。

あのブレードがあれば、もしかしたらキジハタに対してめちゃくちゃ効くのでは?透明にしてホロシートを貼ったり、ケイムラ加工を施したら鬼に金棒なくらい釣れるのでは?

そんなことを考えながら数年が過ぎ、アピアへ入社したタイミングで宇津木社長から「何か作りたいアイテムはある?」と聞かれ、真っ先に「透明な樹脂のブレードを作りたいです!」

と返事を返しました。

そんなこんなで開発に着手したJuicyですが、簡単な構造なのですぐに出来上がると思ったら、これがまた大変でした。

Juicyに求める性能として

「透明であること」

「光の透過する乱反射でアピールすること」

「巻き抵抗が少ないこと」

この3つは最低限クリアしなければならない条件でした。

樹脂で作ることにより「透明であること」「光の透過する乱反射でアピールする」という条件はクリアできました。

しかし、普通のブレードの形で作成したら回転はするものの軽すぎてブレードが暴れてしまい使い物にならない。

形状・厚み・重心などいろいろテストを繰り返しても納得のいく回転と引き抵抗にはならず苦労しました。

開発チームのにっしーと協力し、毎日サンプルを泳がせ使用錯誤するとようやく理想に近づいてきてやっとの想いで完成しました。

Juicyを見ていただくと分かりますが、裏面が水を掴みやすいように角度を付け、後方に重心を持たせて水のキレをよくするためにフラット面を付けています。

それにより引き抵抗の軽さもクリアすることが出来ました。

Juicyが完成するまでにっしーのデスクはサンプルのブレードで埋め尽くされていたのを覚えています(笑)

シンプルな形ゆえに少しのバランスや厚みで動きがガラッと変わってしまったので、微調整が物凄く難しかったです。

実釣テストでもその効果はハッキリと出て、ボートロックフィッシュでアイナメを狙ったときに渋い日に当たってしまい、周りが釣れていないなかJuicyを付けた自分にだけアイナメがバイトしてきたんです。

たまたまかなと思い、外してみると当たらなくなり、また付けるとバイトしてきて釣れる。

しかもJuicyを付けたときのバイトの出方が本気食いをしてるような明確で重みのあるバイトだったんです。

これには作った自分でも驚きを隠せなかったです。

アンバサダーの皆さんにも協力していただきテストを行いましたがやはり皆さん同じ意見で、付けていると明らかにバイトの質が変わるという事でした。

発売後も各地から釣果情報をいただき、様々な魚種の釣果を聞きますが、やはり狙った通りにキジハタの釣果情報が多く聞くようになり使っていただいたお客様からは高評価をいただいております。

2024年9月に発売したJuicyですが、2025年の1月にはダウンサイジングモデルの「Juicy#2」が発売しております。

こちらはライトゲーム用に開発しましたが、テスト段階から尺メバルラッシュ!

大型のメバルに非常に効果的な出来栄えとなっています。

もちろん他の魚種にも効き、マイクロベイトパターンのシーバス攻略やアジングに使用していただいても効果的です。

周りに差を付けてアピールさせたいときにはワンタッチで着脱可能ですので、是非使用していただきたいです。