MICHIHIRO MATSUO'S IMPRESSION

Foojin'AD

VANCOOR 92H 「VANCOORは大きな負荷を掛ける釣りに対峙してこそ真価を発揮する」

ADシリーズにおいて最も強いモデルとして生まれたVANCOOR92Hも、今シーズンで3年目となり、ブランクに新たな素材を採用して生まれ変わった。新工法がダイレクトに新鮮な使用感へと表れており、ランカーハントモデルとしての完成度を更に高めている。VANCOORが持つ従来コンセプトを継承しつつ、新しい素材の特性を生かした粘りの部分は、主にファイト時にその片鱗を見せてくれる。特に魚を掛けてからのブランクの追従。パワーロッドの場合、この追従に関してはテーパーなどで補っていた部分があったが、その部分を素材特性で補う事が出来る様になると開発の自由度が増す。張り感が重要なロッドである事に加え、そこに粘りが共存するとなると、中身こそ複雑だがロッドは至ってシンプルに完成形を見る事が出来る。とは言え、VANCOORの位置付けは大きな負荷を掛ける釣りに対して存在しているからこそ価値があり、このロッドの特性が姿を見せるのは、4キロを超えるシーバスとファイトして初めて感じられる部分である。今回のモデルチェンジでは新素材並びにガイドの変更も掛かり、耐久性の部分において随分と過酷なテストを繰り返してきた。開発に掛けた時間は勿論だが、ランカーハントモデルとして必要とされる耐久テスト内容は、ランカーの捕獲数を第一に優先すべきと考えている。2014年度の春からテストが始まり、最終形を見たのが年末。ほぼ1年を通して複数のプロトを重ねてきたが、最終のトライアウトを終え製品化へと進むまでに、80UPを70本近くキャッチしている。これはランディングに至るまでに起こるシーバスのランや、ランカーの大きな首振りストロークを新しいブランクがしっかりと追従してこその結果である。

使用写真