MASANORI MURAOKA'S IMPRESSION

Foojin'AD

HIGH ROLLER 104ML 「新規導入した素材の特性をもっとも享受することができる」

前作・Foojin'ADハイローラーは、圧倒的に軽く作ったことで多くの人に支持された。従来の10ft.ロッドではあり得ない、軽さ。それはアピアの最新技術によってこそできることであった。一方で、もう一つ変化を起こしたことがあった。それはロングレングスロッドのスローテーパー化という流れである。9ft.以下のロッドで主流であるファストアクションは飛距離とアキュラシーを高い次元で両立させるが、長さが10ft.以上になってくるとベリー部の反発が強く、振り切れる人が少なくなる。振り切れなければ飛距離が出せない。ルアーの飛距離というのはティップの速度で決まる。振り切ってナンボだ。初代ハイローラーはその反発力をバットからベリー、ティップへと順番に流していくことで一般的な成人男性なら確実にロッドを振り切れる様にセッティングし、圧倒的な飛距離を手に入れた。そして、魚が掛かればスローテーパーの特長が大いに発揮され、とにかくバレにくいロッドとして好評を博した。2015年、ハイローラーはナノアロイテクノロジーの採用により一層の進化をした。それは曲がるのに高い反発力を出せるナノアロイを使用することで、より細く、より軽く、より強く、まさにさらにパワーがあるのに振り切れる様になった。ハイローラーの様なモデルが一番ナノアロイとの親和性が高い。前モデルと比べてルアーの飛距離が向上。特に25〜40gのウェイト帯で大きな成果を出すことができた。一方、新しく取り入れた概念がキャスティングバランスというものだ。ロッドには1本1本、キャスティングの際の重心点が存在する。その重心点が違いすぎるロッドを使うと、ロッドを変えた際にキャストフィールやアキュラシーが狂いやすく、上達の妨げにもなる。
そのキャスティングバランスをメトロナイト、ナイトホーク、ハイローラー、バンカーといった僕の開発モデルに関して、ほぼレングス比等間隔になるように配置を行った。これにより、釣行の際にロッドをチェンジした際の違和感がほとんど無くなった。こうしたシリーズ間の調整によってより快適な釣りを実現することで更に使いやすくしていく。これも今後の多くのメーカーがなぞっていくことなのでは無いかと考えている。

使用写真